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新型コロナ2類から5類へ:「問題の本質」とは?

 

2類相当から5類へ

政府がやっと新型コロナを2類相当から5類へ引き下げる方針で動き始めたようですね。

これについて、『新型コロナウイルスの真実』や『コロナと生きる』等の著者である、神戸大学の岩田健太郎教授が、医療系媒体などで幾つかコラムを書いています。

その中で、最も踏み込んだ内容と思われるのがこちらの記事。一部引用して紹介します。

 

岩田教授のコラム

コロナ「2類→5類」なんてどうでもよい
神戸大学大学院感染治療学分野教授 岩田健太郎

感染者の多くは自宅やホテルで療養しており、多くの一般医療機関はコロナの患者を診療している。「2類」とは名ばかりの「ニセ2類」なのが現状だ。

高額なコロナの治療薬に配慮したのか、報道によれば「5類」にしても当面は公費負担が続くのだそうだ。屋内でのマスク着用も「原則不要」だそうだが、クラスターを起こされては困る人たちはマスクを着用し続け、させ続けることだろう。多くの医療機関は現在同様、「うちではコロナは診られません」と診療を断るだろう。

-中略-

つまり、「5類」といっても、あちらもこちらもなし崩しの「ニセ5類」になるのではないか。

本質の問題とはこうだ。「インフル並み」の感染症に移行される新型コロナを診療するということは、前提としてインフルエンザもまっとうに診療できるということだ。これまで多くの開業医のクリニックも、病院も、インフルへの感染対策を全然しないままに、ぼんやりとインフル診療をしていたのだ。ちゃんとインフル診療ができていれば、そのままコロナの診療もできていたはずなのだ。

感染対策という観点からも人権という観点からも、もはや「4人部屋」で入院患者を診る時代ではない。どんな感染患者がやってきても「うちには病室がありません」と言わなくて済むような診療環境を整備するのが本質だ。今後、病院は「全個室」を目指すべきだ。

-中略-

アウトカムから逆算した届出制度をつくり、テクノロジーでそれを自動化するのが本質だ。届出の自動化やデータの自動解析、ワクチン情報などとの自動突合、それらを可能にする法整備も喫緊の課題だ。

medical-tribune.co.jp

 

疑問点

このコラムの前半部分、救急車を呼ぶくだり(元記事参照のこと)は本当かどうか判断しかねるのですが、おおむね賛同出来ます。

しかし後半、「本質の問題とはこうだ」と書かれた以降の部分に大きな疑問点があります。

「インフル並み」の感染症に移行される新型コロナを診療するということは、前提としてインフルエンザもまっとうに診療できるということだ。

これは、5類に引き下げられた後の新型コロナの診療について言っている部分ですよね。

ところが、それに続く文章がこちら。

ちゃんとインフル診療ができていれば、そのままコロナの診療もできていたはずなのだ。

「コロナの診療もできていたはず」と、過去形で書かれています。

 

つまりここで言っているのは、今後の「5類に引き下げられてからのコロナ診療」ではなく、過去~現時点の、「2類相当」とされているコロナの診療のことですね。

ちゃんとしたインフル診療ができていれば、今までのコロナ診療も、受け入れを断る病院が問題なくることもなくしっかり診療でできていたはずだ、という主張です。

岩田教授の言う「問題の本質」は、インフルエンザなどの感染症をしっかり診療できる体制になっていなかったことだと読み取れるわけです。

 

個人病院では無理

 

実際、岩田教授はこのように書かれています。

どんな感染患者がやってきても「うちには病室がありません」と言わなくて済むような診療環境を整備するのが本質だ。

 

どんな感染患者がやってきても診療できる環境を整備するのは、現実的に個人病院、クリニックでは不可能ですよね。

コロナでも赤痢でもエボラ出血熱でもしっかり診療できる病院となれば、一般外来と発熱外来がしっかり区分けされ、医療スタッフの導線や空調に至るまで、しっかり計算して作られた設備でなければなりません。

 

文面通りに受け取れば、岩田教授は、個人病院は不要、少なくとも感染症対応病院としては不要という考えなのかもしれません。

しかし、「風邪かな、それともインフルかな?」というときに患者が最初にかかるのは、地域の個人病院です。風邪かもしれないときに近くの病院に行けないとなったら、患者としては、かなり不便ではないでしょうか。

 

混乱した時系列から導き出された結論

しかし、今後のこと、つまり新型コロナがインフルエンザと同等の5類扱いになるという未来の条件を出してきて、過去~現在のコロナ診療が「できていたはず」と結論付けた形で書かれているのは、時系列が混乱しており、筋が通っていません。

 

インフルエンザは5類の感染症です。コラム上のこのパラグラフの論旨は、5類のインフル診療がちゃんとできるなら、2類相当の新型コロナの診療ができていたはずだというものですが、5類の感染症2類相当の感染症を同列に並べるのは、医療者として問題があります。

 

もちろん、「うちでは診られない」とコロナ診療を断る病院が多いことは社会的に大きな問題です。断らずにすますためには、感染症をしっかり診療できる態勢を作らなければならないという意見には同感です。

今後も新しい感染症はと出てくることが考えられますし、コロナのようなパンデミックがないとも限りません。それに対応できる、しっかりとした感染症診療の態勢をとれる病院が、少なくとも全国各地の要所に1つ以上は必要でしょう。

 

病院は全個室を目指すべき?

岩田教授はコロナやインフルをしっかり診療できるように、病院は「診療環境を整えるのが急務」とし、「全個室をめざすべきだ」と言っています。

 

しかし入院病棟が全て個室になったところで、コロナ感染がゼロになるとは思えません。

しかも今現在、自宅やホテルで療養できている病気なのです。自宅療養時の本人や家族の負担が大きいことは事実ですが、既にインフルエンザ以下の死亡率しかない感染症に対して、そこまでする必要があるのでしょうか?

 

岩田教授には、現在の病院はインフルエンザの診療もしっかりできていないという認識があるようです。

確かに、個人病院など発熱外来を置かない病院が新型インフルエンザの患者の診察拒否をした事例が一時期問題になりました。しかし多くの病院では入院措置以前に、来院時の診療で他の患者と何かしらの接触をする可能性が高いのです。

まさか「感染症疑いの来院患者の診察は診察室でなく個室でやれ」というわけではないと思うのですが、この点、岩田教授がどのように考えているのか疑問です。

 

病院側と患者側の負担

それに病棟を全個室の形に改修するとなれば、病院側の負担も相当なものでしょう。従来、病院はどこも赤字スレスレの経営状態が恒常的に続いていました。

コロナ助成金のおかげで2020年からは大幅黒字となっていますが、その分を改修にまわせばいいということでしょうか。

「全個室」は感染症を恐れる患者や、それ以外のプライバシーを求める患者に訴求力があります。医師や看護師の導線が問題になりますが、投資としては良い使い道かもしれません。

 

しかし、患者の側はどうでしょうか。

もしも長期の入院となった場合、個室に長時間一人でいることで、精神的に不安定になる患者も出てくるのではないでしょうか? そうなれば、精神面のケアという問題が生じてきます。

病院には交流スペースに使える談話室がありますが、病状や体調によっては、談話室の利用もできる患者とできない患者がいるわけです。その上、多くの患者が談話室を利用するとなれば、感染症のための「全個室」の意味自体がなくなります。

そうなると、感染症対策のための「全個室」はあまり意味がないと思われます。改修するとしても「全個室」ではなく、個室の数を増やす程度で十分でしょう。

 

公費負担にならないか?

もう一つ懸念しているのは、「全個室」や「個室増」のための改修工事費用を、感染症対策として公費で賄うという話にならないか、ということです。

政府の対応を見ていると、コロナ関連費用として計上される可能性もあり得そうに思われます。そうなれば、また病院に補助金が出るわけです。

病院側は、恐らく今までの黒字分と合わせて病院施設を大規模に新築・改築できることになります。病院側にとっては非常に魅力的な話でしょう。


2021年ではコロナ対策の年間費用が約77兆円(東日本大震災の復興費用10年間の総額約32兆円の倍以上)、コロナ経済対策の総額が約293兆円。そしてコロナ対策の予備費17兆円のうち、9割が使途不明と言われています。補助金ビジネスとも言われていますね。

www.nikkei.com


この莫大な金額に比べれば、全国の病院を改修すると言っても、せいぜい関連費用の何パーセントかで済むのかもしれません。

 

しかし現在、新型コロナウイルスはかなり弱毒化しています。ほとんどは無発症者であり、もし発症しても、重症化する人はほとんどいなくなっています。人数で見ると、重症化数2000人を超えたピーク時(2021年9月)の1/3程度です。

感染者数が激増しているのに重症化数が減っているのですから、毒性はかなり弱くなっていることがわかります。

腰の重い現政府が2類相当外すことを検討しているように、既に新型コロナは、それほど恐ろしい感染症ではなくなっているのです。

www3.nhk.or.jp

 

増税の理由に使われる?

そんな毒性の低くなったコロナのために、またもや公費がじゃぶじゃぶと使われるのではないか、というのが私の懸念です。

病院も社会インフラの一つですから公費が入るのはいいとしても、恐らく政府(財務省)は、巨額に膨れ上がったコロナ関連費用を賄うために増税しなければならない、と言い出すことが考えられます。

恐らく、国民の多くもコロナで増税は仕方ないと考えているかもしれません。

 

しかし増税の必要はありません*1し、現状の日本は増税をすればするほど経済が壊滅状態になっていきます。

増税時に政府やメディアが言うスローガンは「子や孫の代に借金を残すな」でしたが、いま増税することで、子や孫の代に壊滅した日本経済を残すことになるのです。

 

岩田教授のコラムから少し飛躍した感もありますが、コロナ対策に関連することの中で、これが非常に大きく懸念される点の一つです。

*1:別途説明する予定です

現代医師の読解力に疑問:別冊!ニューソク通信「内部告発で医療界に激震 安易な診断書交付が悲劇を生む化学物質過敏症の深い闇」の動画内容がちょっと酷い

 

www.youtube.com

 

 

この記事を書いた理由

別冊!ニューソク通信というYouTubeチャンネルの動画「内部告発で医療界に激震 安易な診断書交付が悲劇を生む化学物質過敏症の深い闇 横浜副流煙裁判との共通点とは…? に大きな疑問」を視聴して、ちょっとこれは酷いんじゃないかと思ったので書いておきます。

 

誤解がないように付け加えておきますが、ニュー速通信社は、須田慎一郎氏がユニークな語り口で裏社会の実情やリアルタイムでの政治の話をしてくれるので、いつも動画配信を楽しみにしているチャンネルです。

 

 

だからこそ、この動画はとても残念でした。

 

長くなったので取りあえず動画概要と結論だけ。詳細は後ほど追加で記載します

追加内容(疑問点)は青文字で記載。あまりにも長くなるため、疑問点の詳細は別エントリとしてアップします。

※横浜副流煙裁判については触れていません。

 

結論


先に結論を述べます。

 

内部告発の基となった宮田医師からの「手紙」に対する船越医師と黒藪氏の解釈(読解力)に問題があります。

医療ビジネスを暴きたいという黒藪氏およびニュー速通信社の目的は理解するものの、この告発の内容は、Aさんという1件の事例と船越医師個人の体験のみであり、しかもその内容に疑問が大きいため、告発内容としてはお粗末と言わざるを得ません。

この件は、船越医師と黒藪氏の勘違い、あるいは勇み足だったのではないでしょうか。

ニュー速通信は、動画を撮るよりも先に告発の基となった宮田氏の手紙文を確認するべきでした。

 

内部告発というショッキングなワードが付されているため、動画の視聴者が内容を精査せず船越医師の告発内容を鵜呑みにする危険性があります。

また、その影響で何かしら宮田医師の医療業務が阻害されることがあれば、本当に化学物質過敏症に苦しんで宮田医師に診察をしてほしいと思っている人々に不利益が生まれる可能性があります。

 

動画内容

 産婦人科医であり化学物質過敏症も診断しておられる船越典子医師が、化学物質過敏症の診療医である宮田幹夫医師の診断に汚点がある(診断が安易である)という内部告発をし、それを黒藪哲哉氏がWebニュース記事として発信。

 

 宮田医師は、横浜副流煙裁判の際に、日本禁煙学会の作田学理事長と共に意見書を提出して原告を支援した経緯がある。

 内部告発の実例患者Aさんは、この裁判とは無関係。

 

 その船越医師と黒薮哲哉氏に、ニュー速通信の須田慎一郎氏が直接詳細をインタビューしたもの。

 

動画内インタビュイー

 船越典子医師 典子エンジェルクリニック院長、京都府立医科大学研修員
 宮田幹夫医師 そよ風クリニック院長、北里大学名誉教授
 黒薮哲哉氏  ジャーナリスト。著書に『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他


動画の元となった黒藪氏のニュース記事

医師が内部告発、宮田幹夫・北里大学名誉教授の医療行為の評価、化学物質過敏症の安易な診断書交付を問題視 黒薮哲哉 : デジタル鹿砦社通信

 

黒藪氏記事より抜粋

>>
この裁判で原告は、宮田医師が交付した診断書も裁判所に提出した。宮田医師はその診断書に化学物質過敏症の病名を付していた。

この診断書自体が患者の自己申告による根拠に乏しいものだという証拠はなにもないが、宮田医師について筆者は、容易に化学物質過敏症の診断書を交付してくれる医師であるという評判をたびたび聞いていた。

11月に、化学物質過敏症の治療を行っているあるひとりの医師から筆者のもとに内部告発があった。宮田医師が安易に化学物質過敏症の病名を付した診断書を交付するというのだ。筆者は、告発者の酒井淑子(仮名)医師から、その裏付け証拠を入手した。

-中略-

化学物質過敏症の診断は一筋縄ではいかない。診断に関する疑問が浮上した以上、学閥や派閥を排除してオープンな議論や論争を行うべきだろう。科学の世界に上下関係はないはずだ。さもなければ2次被害に繋がりかねない。
<<

 

動画(および黒藪氏の書いた記事)に対する疑問点

以下、私がこの動画に感じた疑問点です。

 

●船越医師の読解力に疑問

 

●船越医師の化学物質過敏症は治ったのか?

 ・「治った」の定義は何か(動画内での発言が曖昧なため、明確にしたい)

 

●宮田医師の診断書発行は違法であるのか
 ・診断書発行の違法性とは何か → 医師法20条に規定
 ・医師法20条に違反しているか?

 

●宮田医師の診断は不正であるのか
 ・精神性のものだと判断していたのか?

 

●宮田医師は報酬を目当てに診断書を発行したのか

 

●「エイヤッ」と診断書を書いたのはなぜか?


●宮田医師は告発されることを夢にも思っていなかったのか?

 

○黒藪氏の記事への疑問:化学物質過敏症を診断する医師の中に、学閥や派閥があるのか?

 

●患者Aさんの診断に関して、船越医師は宮田医師にどんな内容の問合せを送ったのか?

 

●船越医師は、自身の化学物質過敏症が治った、あるいは症状がなくなった、または軽減したことを、宮田医師に話したのか?

 

●患者Aさんの診断に対する宮田医師と船越医師の違い


化学物質過敏症に対しての知見が深いのはどちらの医師か?

 

 

内部告発の根拠となった宮田医師からの手紙

 

手紙1

手紙2

手紙3

 

この件に対する私の考え

 

 船越医師は元々産婦人科が専門の医師で、化学物質過敏症の診断・治療は、ご自身の発症後に宮田医師に教わったという話です。つまり元々の専門は婦人科領域で、精神疾患や不安症状に対して、それほど深い理解はお持ちでないと推察されます。


 船越医師が不安症状に対してだけでも十分に理解していれば、宮田医師の書いた不安障害やうつ病についての文面を誤読することはなかったでしょう。

 また、船越医師は医師、つまり理系の方なので、恐らく文章理解よりも数字の方がお得意なのではないでしょうか。それでも手紙を誤読して内部告発をするというのは、少々問題ですよね。

 

 そしてニュース記事を発信し、著書も何冊も出しておられる黒薮氏がこの程度の読解力を呈することは、かなり問題があります。下手をすれば、ご自身が『名医の追放』を行うことになりかねません。

 黒薮氏は医療に関わる社会問題を扱ってきたジャーナリストで、何冊もご著書のある方ですが、医療専門のジャーナリストではないようです。

 あえて苦言を申しますが、プロのジャーナリストが現代医療について記事を書くのであれば、関連する領域それぞれの専門医と対等に会話できる程度の知識が必要です。つまり複数の領域の知識が必須ということです。そして現在、医療において関連している領域は一つや二つでないことを知っていだきたいと思います。

 また、このような問題で告発の具体例がたった1例しか手元にないものを記事にしてしまったのは、ジャーナリストとしてだいぶ勇み足だったと言わざるを得ません。少なくとも、もう少し周辺を取材するべきでした。

 

 ニュー速スタッフや須田氏は、 おそらく黒薮氏が書かれたネット記事を読んでこの動画を企画し作成したのだと思いますが、問題となる宮田医師の手紙を最初によく読む必要がありました。

 もしも事前にこの手紙を読んでいて、それでもこの動画を作成したのであれば、今まで須田慎一郎氏を陰ながら応援してきた私としては忸怩たるものがあります。

 

 ただ、読解力のなさについては、この方々だけのことではないようです。
以前から、現代日本人の読解力にはかなり問題があると言われており、それに関して軽症を鳴らす本もいくつか出ているほどです。

 日本の国語教育に大きな問題があり、それがこの騒動の一つの遠因となっているのではないでしょうか。

 

「SOUVENIR」は本当いい曲ですよね!という話

今回はちょっと軽い話題。

 

アニメ「スパイファミリー」にはまりました(笑)。

 

書店で原作コミックがよく平積み棚を占領しているのを見ていたので、すごく人気のある作品だとは知っていたのですが、たまたま主題歌を耳にしていいなと思ったことと、アマゾンプライムでアニメを無料視聴できることを知って、軽い気持ちで1話視聴したところ・・・
あーもう、全部かわいい・・・!

 

私に娘がいたら、アーニャコスひと揃い用意したと思います。
めちゃくちゃカワ(・∀・)イイ!!
アーニャちゃんがなかなかスカラを取れないのは、やっぱり実年齢が1~2歳下だから?すごい頭よくない・・・?


アニメもいいのですが、主題歌に話を戻して・・・。

 

BUMP OF CHICKENの「SOUVENIR」、日本語ではお土産という意味のタイトルですが、いい曲ですよね。
最初は可愛らしい感じのちょっとなじみ深いメロディですけど、それがサビ部分のドラマチックな展開と編曲をより際立たせてくれて、幸福感に包み込まれる感じがします。


歌詞も好きです。

 この目が選んだ景色に ひとつずつリボンかけて
 お土産みたいに集めながら 続くよ 帰り道
 季節が挨拶くれたよ 涙もちょっと拾ったよ
 どこから話そう あなたにもらった この帰り道

 

 歩いて歩いて 時々なんか急いで あなたに向かう道を

 走って走って いやいややっぱ歩いて あなたに向かう道を

 

「帰り道」のリフレインもそうですけど、
「歩いて歩いて」「走って走って」の、メロディのリフレインと言葉の対比がすごく気持ちがいいですよね。

 

 歩いて歩いて 時々なんか急いで
 走って走って いやいややっぱ歩いて

 

 歩いて歩いて いつのまにか急いで
 走って走って 恥ずかしくなって歩いて

 

 歩いて歩いて 転んで平気な振りして
 走って走って 胸いっぱいに歩いて

 

自然に急いでしまう気持ちと、それを抑えようとする気持ちが、言葉を変えながらリフレインしています。
これに「あなたに向かう道を」がまたリフレインで入るわけです。

 

リフレインは割と使いやすい技巧ですけど、メロディと歌詞のどちらも同じタイミング(なのは当然かもしれませんが)でリフレインを多用して、少しずつ音階を変えたり言葉を変えたりしながら、最後は全く同じ音と同じ言葉で着地しているんですよね。
そうした音と言葉の重なりが、聞く側の抱くイメージを立体的にしてくれていますし、同じ音と言葉の着地点が安心感を与えてくれます。
詩的だわーと思うのは私だけでしょうか?


藤原基央さんの声もちょうどいいゆらぎ感があってすごくいいなと思うんですが、音の「ゆらぎ」を語り始めると長くなるので、またいつか。

 

あけましておめでとうございます

令和も早いもので5年目に入りましたね。

昭和を知っている私(笑)からすると、あっという間に感じます。

 

昨年は色々とショッキングなことが重なり、メンタル・フィジカルともに疲弊しました。

個人的に一番悔やんでいるのは読書会です。何となくですが常連さんもついてくださりつつあった会なのに、秋以降は完全にストップ。

仕事面でも、ほぼ全くといっていいほど生産的なことができず、残念な1年でした。

関係者の方々には、本当に申し訳ありませんでした。

今年は少しずつでも動いていきたいなと思っています。

 

 

新型コロナは未だに治まりませんね。

動けない間はひたすら情報を追っていたので、今後、コロナについてわかってきたことをこのブログにも記載していく予定です。

 

スピリチュアル系も一通り知識を得ました。

特に、日本の古代文字とか、アマテラスは男神だったとか、そちら系です(笑)。

地方都市で手に入る資料には限界がありましたが、遡れるだけ遡って調べました。

おかげさまで、とても良い勉強をさせていただきました。

 

過ぎたことはこれぐらいにしておいて、

本年が皆さまにとって少しでも良いお年であるようにお祈りいたします。

 

新型コロナ治療薬の承認について思うこと

 次はサル痘*1だと言われていますが、今の時点での新型コロナ治療薬について、私の考えをまとめておきます。

 

 新型コロナの流行初期から、日本国内でも「アビガン」を始め、複数の薬剤が治療に有効というニュースがありましたよね。2020年のことです。まだ安倍さんが首相だった頃で、当時、安倍さんはコロナ治療薬としてアビガンの早期承認を目指すと話していました。


 ところが、アビガンの申請は行われましたが、効果がはっきりしないということで、承認は見送られました。効果を否定されたのではなく、継続して認可について審議することになり、製薬企業側は臨床研究や再度の治験を行いながら、認可に向けてずっと動いていたわけです。
 ですが、コロナは変異が激しく、また重症患者の数も減りました。

 特にオミクロン株では重症化するリスク自体が減り、治験の対象となる患者を十分集められないという理由で、今年3月末、アビガンのコロナ治療薬としての治験が打ち切りとなりました。

 

 2020年に、当時の首相が5月内の承認を目指すと公に言っていたにも関わらず(その後、「年内に」と修正された記憶があります)、それから2年も引き延ばされ、結局、承認には至りませんでした。それも、「効果がない」という理由でなく、「治験に組み入れる患者数が集まらない」という理由です。


 しかし臨床現場ではアビガンは適応外処方(医師の判断と患者の同意があれば、現実的には可能です)で使われていました。

 そして使用した医師を信じるなら、治療中の悪化や死亡者も抑えられていたわけですから、臨床的に効果が認められる薬剤だったと私は判断しています。

 

 アビガン以外にも国内の臨床現場から効果があると声が上がっていた薬剤は幾つかありましたが、未だに一つも承認されていません。承認されているコロナ治療薬は、メルク社の「モルヌピラビル」と、ファイザー社の「パキロビッド」。海外の製薬会社の薬だけです。

 つい最近も、国内製のコロナ治療薬の承認が見送られましたよね。塩野義製薬の「ゾコーバ」です。これもアビガンと同じで、継続審議となっています。

 

 誤解しないでほしいのですが、私はアビガンやゾコーバを承認しろと言っているわけではありません。
 どちらの薬も妊婦さんや妊娠可能性のある女性*2には使用しない方が望ましい薬だと考えていますし、審査をパスできるだけの「明確な効果」をデータとして示せていないのも事実でしょう。


 薬剤を承認申請する際には、PMDAが申請する企業や研究者に助言指導するシステムがあります。PMDAは、厚労省所管の独立法人です。
 独立法人ではありますが、設立当初の理事長は元厚生労働省医薬局長であり、また幹部級の職員は8割が現役行政官が占めていたという資料があります。要するに、厚労省天下り先の一つというか、下部組織のようなものだと私は考えています。

 

 (なお、現在のPMDA理事長は元国立がん研究センターの副センター長。内閣官房医療イノベーション推進室に経験もおありです。職員の情報は、個人情報保護の観点からか、以前より開示されていません)

 

 そのPMDAが指導した内容で企業側は薬剤の承認申請を行います。承認が難しい内容であるとPMDA側が判断した場合、足りないデータや知見の補填、解析内容についての指摘などが、かなり厳しく行われると聞いています。
 企業側は、そのように指導され、修正したデータをそろえて、申請を行うわけです。
 アビガン、ゾコーバも同じようにPMDAとやりとりを繰り返し、それから申請を行ったと思うのですが、申請データの甘さはPMDAから指摘されなかったのでしょうか?

 

 また、海外の治療薬、モルヌピラビルとパキロビッドは、二つとも早々に特例承認されましたが、モルヌピラビルはアナフィラキシーの恐れがあり、パキロビッドには高血圧薬や脂質異常治療薬、抗精神薬、抗不安薬、抗菌薬など、併用禁止薬が30種類もあります。モルヌピラビルにアナフィラキシーの恐れがあることは、承認後に認められました。
 この2剤とも、安全性という面で疑問があるのではないかと疑っています。特にパキロビッドは、高齢者や持病のある方には処方しにくい薬です。無理に特例承認をする必要があったのでしょうか?

 

 薬の特例承認、早期承認には、実際に患者さんに使われた後になってから危険性が判明するという、大きなリスクがついてきます。
 十分な治験期間を設けていない以上、これは当り前のことです。もちろん、政府・厚労省側は十分に考えて承認しなくてはいけませんが、それを使う医療者側、また患者側も、この点を十分知っておかなければなりません。


 薬や治療の話は難解なことも多いのですが、自分や家族の命と健康に直接かかわること。一人でも多くの人に、後悔のない判断をしてほしいと思います。

*1:サル痘でまた新しいワクチンを打つんでしょうか?

*2:ということは、もしかしたら男性にも

ここしばらく、数字を信用しすぎた自分を信用できなくなっていました

少しずつ気持ちが落ち着いてきました。

今から思うと、ブログ記事全部を消す必要はなかったかなーと思ったりもしますが、心機一転、また新しくやっていきたいと思います。

よろしくお願いします^^

 

今回は、なぜ過去記事一切を消してしまったのか、少し詳しく書いてみます。

 

・過去記事を消した理由

  1.  信頼していたデータの数字や解析が信用できなくなったから。
  2.  1により、今まで常識だと思っていたことに疑問を感じ、これまでの自分の判断自体に疑いが出てきたから

 簡単に言えば、この2つが理由です。

 

 今まではPubMedやメディカルオンラインなどの検索サイト、m3やMedical Tribune、それに厚労省(例えばeJIM)や大学などの公表データを参照してきました。その他、書籍や医療系雑誌、企業サイトなどから知識や情報を仕入れることもありました。

 

 私は根っから文系の人間ですが、過去に医療系の雑誌編集に携わったことがあり、論文の読み方やエビデンスレベルに対しての知識は多少はあります。

 ですから、やはりデータが重要だと今まで思っていたのですが、新型コロナのパンデミック以降、特に2020年末辺りから、その治療薬やmRNAワクチンに対する厚労省やメディアの対応が少しおかしいなと感じるようになっていました。

 コロナ関係の医療情報を追っていくうちに、国内で名前が挙がった治療薬や、海外製の全く新しい技術であるmRNAワクチンの効果とリスクの評価が何かおかしい。一方は過大、一方は過少に評価されているのでは? という気がしていました。

 

 その時々に公表されたデータを見ると、政府見解や医療記事の情報が正しいとしか思えませんでした。数字からすれば、政府・厚労省の新型コロナの対策や薬への対応は合っているわけです。

 ですが、臨床現場から挙げられた声や、ネットやラジオで耳にした一般の人の声、実際に聞いた話などの、より現実に近いものを突き合わせると、どうも噛み合わない。

 下手をすれば命に係わるかもしれないことで、現実とデータがこんなに噛み合わないことがあっていいのだろうか・・・と考えていました。

 

 何かが噛み合わない場合、どちらか一方、あるいは両方とも間違っていることが考えられます。

 私の側であれば、私の見る現実が偏っていたり、サンプル数が少なかったりすることからくる間違い。

 数字の側であれば、解析などによる解釈の間違い、あるいは数字自体の間違い。 

 

 細かいことは省きますが、結果的に、それまで目にしていなかった情報を見ることになり、さらに政府発表のデータ間の整合性に疑問を持ったり、厚労省の解析やデータ取り自体に信用が置けなくなりました。

 

 数字はいくらでも変えられます。数字自体は正しくても、解析手法や、解析の焦点を変えることで、解釈が大きく変わります。

 それは多くの人が知っていることだと思いますが、私は実感としてわかっていなかったのですね。

 

 そして、そういった数字を今まで単純に信じていた自分自身に大きな疑問を持ちました。自分ですら信用できない自分が、誰かに向けて何かを言うことができるのか・・・という疑問です。

 つまり、私は全く成熟していない人間だったということですね。

 

 ここ数カ月、ずっと考え続けてきたことが、本当に信用できることは何か、ということです。

 これはいまだに考えています。でも今のところ、自分自身が体験したことは確かなことだと思っています。

過去記事を削除しました

ここ数カ月で入ってきた情報の内容と、自分が今まで認識していた情報との乖離が大きく、自分でもまだ整理しきれていないことが多いことから、このblogの過去記事を削除しました。

こちらにアクセスされた方に誤情報かもしれないものを発信し、誤った判断を促すことがないように(これ以上)という考えからです。

 

今までにこのblogにアクセスされた方や、星をつけて下さった方には、大変申し訳ありません。

 

今後も「絶対に正しい情報だけを扱い発信する」と言い切ることはできませんが、できる限り「その時点で正しいと思われる」情報をもとにして記事を書きたいと思っています。